誘導加熱の利点

高周波装置は、誘導加熱の利点を活かすことで多種多様な用途に使用できます。誘導加熱の利点は下記のとおりです。

  • 1.自己発熱なので、熱効率がよい。
  • 2.急速加熱ができるので酸化が極めて少ない。
  • 3.局部加熱ができる。
  • 4.硬化層深さの選定が自由(周波数の選定により)。
  • 5.加熱のON・OFFが自由に設定でき、自動化が容易。
  • 6.作業環境がよい。
  • 7.クリーン加熱ができる。
  • 8.均熱加熱ができる。
  • 9.小型・軽量で小スペース設置が可能。
  • 10.周囲が高温にならない。
  • 11.加熱精度が上げられる。
  • 12.化学反応を起こさない。
  • 13.低温~高温までの昇温が可能(~3000℃も可能)。
  • 14.操作性がよい。
  • 15.雰囲気中、真空中の加熱が容易。
  • 16.どのような金属でも加熱が可能。
  • 17.カーボン材・シリコン材の加熱が可能。

高周波誘導加熱の用途

ろう付

同種、異種金属のろう付には、強度、材料の種類、コストメリットで、おもに以下のろう付が使用されています。

銀ろう
ろう付材料 銅・銅合金・(黄銅・青銅・アルミ銅・アルミ黄銅)・ステンレス鋼・鋳鉄・ニッケル及びニッケル合金・チタン・超硬合金
ろう付温度 620~900℃位
用途 熱交換機・電気機器・工具・建築用金具・超硬工具・鉱山工具・一般バイト・カッター・計器・電気通信機器・船舶用配管・電子管・食品関係機器・化学機器・真空機器・医療機器・光学機器・タービンブレード等のろう付
低融点銀ロー
ろう付材料 鉄系/SUS系+Niメッキ、Cu材、BS材(その他異種金属にて可能な組合せは別途ご相談ください)
ろう付温度 480~590℃位
用途 宝飾品、工芸装飾品、光学機器、医療機器、電気機器、計器、半導体部品、科学機器、その他種々
アルミニウムろう
ろう付材料 アルミニウム・アルミニウム合金・銅・黄銅等
ろう付温度 550~640℃位
用途 アルミ製圧力容器・車体・アルミサッシ・クーラー・航空機部品などのろう付
リン銅ろう
ろう付材料 銅・銅合金
ろう付温度 680~750℃位
用途 冷暖房機器・給湯器・クーラー・黄銅フランジ・パイプのろう付
銅及び黄銅ろう
ろう付材料 鋼・特殊鋼・ステンレス鋼及び焼結合金・鋳鉄・銅・ニッケル合金
ろう付温度 880~960℃位
用途 ドリル・カッター・バイト・ダイヤモンド・自転車のフレーム・シャフト・ピストン・スリーブ・軸受等の肉盛・シリンダーブロック・ポンプケーシング等の補修
金・スズろう
ろう付材料 ニッケル・金メッキ(セラミック等に金メッキされている材料)・銅・銅合金・コバール等
ろう付温度 290~320℃位
用途 パッケージの封止・半導体部品・その他種々
スズろう
ろう付材料 ニッケル・金メッキ(セラミック等に金メッキされている材料)・銅・銅合金・コバール等
ろう付温度 240~260℃位
用途 パッケージの封止・半導体部品・その他種々
ハンダ付

最近では、鉛フリーが多くなってきていますが、まだまだフラックス入りハンダが主流です。

ハンダ付材料 銅・銅合金・鋼・ステンレス鋼等
ハンダ付温度 190~210℃位
※(鉛フリーハンダでは、220℃~250℃位があります。)
用途 計器類・工芸装飾品・日曜大工金物・食品・医療関係機器・化学機器類・各種通信機器・各種電気機器類

焼入

金属材料の焼入にはさまざまな方法がありますが、高周波を用いた焼入は古くから行われています。金属材料を急速に昇温して急速冷却することにより、オーステナイト後、マルテンサイトまたはベイサイトに変態するような条件下にして製品の硬化を目的とするものです。

製品の材質・目標とする金属の硬度・焼入の深さは、周波数・昇温温度・加熱時間といった条件によって大きく左右されます。

用途 自動車部品・各シャフト・精密部品・各レール・歯車・ネジなど

焼鈍

金属材料の硬度を焼き戻し、プレス加工時の絞り、曲げ加工が容易になるよう硬度を下げる加熱処理方法です。

用途 ステンレス・マグネシウム・銅・チタン・アルミ・タングステン材の板・パイプ線などの加工

ビレットヒーター

金属鍛造前のヒーター加熱炉として使用され、ほとんどは連続炉の昇温後に次工程でプレス鍛造や押出成型加工に使用されています。

用途 クランクシャフト・カムシャフト・ミッション部品・足回り部品・建設機械・軸受類ハンマー・クロスローリングの鍛造用など

溶接・鍛接

用途 電縫管・フィンチューブの連続溶接・フープ材・コアー材の溶接など

インサート(焼きばめ)

金属を150~350℃位まで昇温して金属の熱膨張で広がったワークの中へ挿入し、お互いに固定する加工方法です。

一般の計算式

ti≧(2・δ)/(α・dl)

2・δ 焼ばめ代(mm)
ti 焼ばめする軸とボス内径の温度差(℃)
dl 軸径(mm)

δ/{(D-d)/d}=E

δ 円周方向応力
D 円筒外径
d 円筒内径
E 縦弾性係数
用途 コンプレッサーなどのローター・シャフトやベヤリングなどの固定・小型ディスクモーターの固定など

接着

用途 製缶の接着・食品キャップシール・ラミネートチューブのシール・スピーカーの接着・接着剤塗布後の熱硬化接着など

ボンバータ

用途 電子管・ネオン管・表示管・水銀灯・蛍光管などのガス排気やゲッターフラッシュなど

半導体製造

用途 シリコンの単結晶の引き上げ・エピタキシャル成長

樹脂コーティング

用途 モーター(大、小型)などの絶縁樹脂コーティング・パイプの酸化防止膜コーティングなど

プラスチックの成形品加工

用途 プラスチックのかしめ・ボトルのインサート・樹脂と金属の溶接

金型の加熱

用途 種々金型の昇温用・押し出しノズルと成型ダイスの加熱用

溶解

種々金属を大気中、雰囲気中、真空中での溶解が可能です。また、高温では3000℃位まで昇温でき、未知の分野への開発が可能となります。真空、加圧、遠心でのロストワックスにより、貴金属の鋳造用に用いられています。

用途 鉄鋼・アルミ・銅材・チタン・マグネシウム合金等の真空・雰囲気中での溶解

高温炉/溶融炉

ベストシステムでは、世界的な課題である環境問題を視野に入れ、環境改善という大目標に向かって高温炉を開発いたしました。処理対象物の処理温度は、「Max2500℃」を実現しています。

用途 ・ファインセラミックの製造用
・LSI、光通信、ディスプレイ、燃料電池他製造用
・原子力、医療、樹脂、産業廃棄物の溶融用
・アスベストの溶融用